「インターネットプラス研究所」が設立されました

昨年秋、深圳の旬な情報発信や講演会などを実施しているキーマンが中心となり、インターネットを活用した様々な試みについて研究・支援を行う「インターネットプラス研究所」が設立されました。

今回はその発起人であり所長を務める澤田翔さんに設立の経緯や今後の展開についてお話を伺いました。

−−「インターネットプラス研究所」の研究テーマは「インターネットの社会実装」とのことですが、具体的にいうとどんなことでしょうか。

澤田翔さん(以下澤田さん): 3年ほど前から深圳に注目するようになり、イノベーションで社会が大きく変わっていく有様を目の当たりにしてきました。例えばQRコードによる電子決済はもちろんのこと、外売(ワイマイ)と呼ばれる外食の配達サービスやアリババグループが展開する「ハーマー」というスーパーとECサイトを融合させた新しい生鮮品販売形態などは登場してからあっという間に広く使われるようになりました。また、タクシー配車サービスの滴滴も今ではすっかり中国各地で定着しています。

私は今自分の会社の業務の一つとして、ITスタートアップに対して技術と経営のサポートをしていますが、日本ではなかなか中国やアメリカのように新しいサービスの活用が広がって行きません。どうしてなのかと考えた時、決して彼らの製品に魅力がないとか、人口比が違うとか、産業構造が違うとか、そういった理由ではないと感じたのです。日本はテクノロジーを活用して問題を解決していくというアプローチが一般的ではなく、そのため問題解決の方策を探る際にそもそもインターネットが選択肢として上がってこないのです。一方、中国の深圳に何度か足を運ぶうちに、深圳の街がかなり上手にテクノロジーを取り入れている、ということに気づきました。中国でも学術的には北京や上海などでテクノロジーの研究は進んでいますが、社会実装について試みが盛んなのはやはり深圳が随一です。まずはこの目で見たその実態を体系化して、日本に伝えるところから始めるべきだと考えるようになりました。

−−では、他の発起人の方とはどういった経緯で一緒に研究所を立ち上げることになったのでしょうか。

澤田さん:今回の立ち上げメンバーは私の他に、スイッチサイエンス株式会社、海外ビジネス開発担当の高須正和氏(副所長)、東京大学社会科学研究所准教授の伊藤亜聖氏(首席研究員)、株式会社ジェネシスHD代表取締役の藤岡淳一氏(主任研究員)の4名です。深圳への視察を通して知り合い、これまですでに講演会や藤岡氏の深圳の工場視察など様々な活動を一緒に行ってきました。実際に深圳まで足を運んでくれた方々にはそれなりに私たちの体験や業務上の成果などを伝えることができましたので、その経験をもとに、今後さらに研究・啓蒙活動や具体的支援を行っていきたいと考えています。この4名は深圳に限らず世界中のイノベーションを体験していますので、それもすべて研究対象としていくつもりです。

−−メディアにもよく登場するそうそうたるメンバーですね。では、今後の活動についてお聞かせください。

澤田さん:インターネットプラス研究所が目指しているテクノロジーの社会実装に関する研究は情報工学や経営学でも過去にほとんど実績がありません。そのため「自分たちが開発したテクノロジーをどう社会の中で活用したらいいのか」と悩んでいる個人や団体が少なからず存在するはずです。冒頭でも触れましたが、私たちの研究を通してそのような人々を実際にサポートしていきたいと考えています。また、新しい研究領域ですので、サポートを通して研究を進めることもあるかと思います。そうして貯めた知見をさらにフィードバックしていきたいですね。まずは今までどおり講演会などのイベントやメディアでの情報発信を行いながら、サポート業務も積極的に進めていく予定ですので、お困りの方はぜひ一度ご相談ください。

−−今後のご活躍を楽しみにしています。ありがとうございました。

[現地アプリの数値を解析して選んだ深圳の飲食店をバックに自販機で見つけた珍しい商品を手にする澤田氏。気になったものはまず自ら試すという姿勢の澤田氏による研究は実践力を伴うものとして大いに期待できそうだ。]

澤田氏略歴:
インターネットプラス研究所 所長
慶應義塾大学環境情報学部卒。複数のITスタートアップの立ち上げからEXITまでを経験し、2017年より独立。ITスタートアップへの技術サポートを行っている。現在はフィンテックや仮想通貨、営業支援ツールなどのスタートアップへの経営アドバイスから設計レビュー、プロトタイプの開発を請け負っている。世界の決済サービスやニューリテール (小売業のIT支援) に造詣が深く、インターネットの社会実装をテーマにした「インターネットプラス研究所」を2018年に設立した。Twitter: shao1555

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株式会社ミラ

IoTデバイス開発を手がける株式会社ミラ。中国深圳にも拠点を設け、企画から試作、量産までをトタールにサポートするサービスを提供しています。IoT関連情報だけでなく、ギークな街、深圳の旬な情報や覚えておくと便利な中国語などもお届けします。
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